校長の言葉(9月)

 長雨と台風の襲来に悩まされた9月でした。北海道では大きな地震災害もありました。まだ各地で自然災害に苦しんでいらっしゃる方がいます。古来、日本人は自然に「荒ぶる神」を見てきました。「厳父」と「慈母」を感じてきました。改めてこの国土で生きることの「覚悟」のようなものが求められているように思います。
 さて、9月と言えば学校祭です。4年目の「清新祭」。今年も「創業と守成といずれが難き」という唐の太宗(李世民)の言葉を生徒に投げかけました。内容のアップグレードは順調に進んでいます。
 しかし、昨年と違って今年の体育祭は雨にたたられました。
 今年の清新祭のテーマは『疾風迅雷~ココに嵐を巻き起こせ!』でしたが、まさに「嵐」を呼んでしまったようです。本来5日(水)の開催予定が終日の雨。予備日の7日(金)も、その翌週もずっと雨予報でしたので、7日に体育館で6群団の応援合戦のみを開催することを決断しました。
 グラウンドで行うはずだった振り付けを、体育館用に手直ししなければなりません。リハーサルの時間も1回通し稽古ができる程度の時間です。そんな厳しい条件の中、各群団ともきっちり発表してくれました。すばらしい対応力です。社会へ出てからもいろいろな場面で試される「力」です。それを見事に発揮してくれました。きっと10年、20年後も思い出として語られる「記憶に残る」体育祭になったと思います。
 6日(水)は予定どおり文化祭を開催しました。昨年から展示の終了時間を午後2時までに延長しました。それでも盛りだくさんで、すべてを見て回ることはできませんでした。文化部はもちろん、クラス企画も頑張っていました。中でも、教室内にジェットコースターをつくった1-2には仰天しました。いつの間にこんな大作をつくりあげたのでしょうか。まるで魔法を見るようでした。
 食品バザーも充実していました。今年も2-5が醤油・味噌・塩味の本格ラーメンを提供してくれました。他にも1-5のパンケーキや2-2の串焼きもおいしかったです。PTAの皆さんは焼きそば、フランクフルト、みたらし団子とメニューが増えました。茶華道部ではお菓子と抹茶のお点前をいただき、すっかりお腹は満腹です。楽しい一日を過ごすことができました。
 今年は生徒会執行部と有志の生徒が作製したモザイクアートも見事でした。テーマにちなみ、あの有名な俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を再現して、来場する皆さんをお迎えしました。モザイクアートは2-4もNHK大河ドラマ「西郷どん」のポスターを見事に再現していました。どちらも3メートルを超える大作です。
 そして、今年の閉会式も感動モノでした。全校生徒が体育館で整列する中、6人の群団長が壇上で、この清新祭にかけた自分の思いと、その思いに応えて一緒に頑張ってくれた生徒たちへの感謝の言葉を一人一人が自分の言葉で述べました。中には涙で言葉に詰まる群団長もいます。その後、6色の群団旗と法被を校長の私に返還する儀式が行われました。すばらしい時間を共有できました。
 そんな余韻に浸る間もなく、翌週からは16日(日)から始まる就職試験に向けて、3年就職希望者への指導が再開されました。遅くまで学校に残って、熱の入った指導が続いています。生徒も真剣です。今年もトヨタ自動車を始めとする大企業から地元で輝く企業まで、70名が挑戦します。続々と朗報が届いています。
 進学希望者に対しても、推薦の可否を検討する推薦会議が行われ、センター試験への出願手続きも始まりました。3年生は自分の「進路」をその手につかむ、大切な時期を迎えました。1・2年生がその背中を見ています。健闘を期待します。
 気がつけば、正面玄関にキンモクセイの香りが漂います。秋の深まりを感じる今日この頃です。

 平成30年9月28日
校長   三 浦 治 夫



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